高校時代の恩師が昨日お亡くなりになった。
器械体操をやっていた僕は
15の時、家を離れ合宿所生活を始めた。
寮母さんもいない合宿所で、
15から18のガキが集まって生活の全てをしていた。
とくかく先生は恐かった。
今じゃ考えられないくらいのシバキもあった。
何度ぶっ飛ばされたか数え切れない。
それでも、いわゆる「愛」があったのだと15年経って気付く。
一昨年、癌センターを抜け出して、
教え子に逢いたいと飲み会を開いてくれた。
痩せた身体だったが、纏うオーラは当時のままだった。
「お前、歌頑張れよ」の一言はとても重く、そして嬉しかった。
高校時代、一度だけ先生にたてついた事があった。
退部届けを先生の机に叩き付けて
「辞めてやる」と言って逃げるように東京へ帰った。
後で、めちゃくちゃ心配していたという事を知った。
数日後、体育館に戻ったとき、先生は僕を咎めなかった。
「お前は俺にたてついた数少ないヤツだ」
と卒業した後、笑って酒を呑んだのを覚えている。
ひとつの時代が終る。
命は永遠に続くものではないとアタマではわかっていても。
別れはかなしいものです。
時代が変わる。
残された者がそれぞれの分野で時代を創る時が来る。
その時に胸を張っていられるように
懸命に生きていく事が餞だと。
今はそう思う。
合掌。