2010年12月4日土曜日

旅立ちはどうか晴れていて欲しい。


高校時代の恩師が昨日お亡くなりになった。

器械体操をやっていた僕は
15の時、家を離れ合宿所生活を始めた。
寮母さんもいない合宿所で、
15から18のガキが集まって生活の全てをしていた。

とくかく先生は恐かった。
今じゃ考えられないくらいのシバキもあった。
何度ぶっ飛ばされたか数え切れない。

それでも、いわゆる「愛」があったのだと15年経って気付く。

一昨年、癌センターを抜け出して、
教え子に逢いたいと飲み会を開いてくれた。
痩せた身体だったが、纏うオーラは当時のままだった。

「お前、歌頑張れよ」の一言はとても重く、そして嬉しかった。

高校時代、一度だけ先生にたてついた事があった。
退部届けを先生の机に叩き付けて
「辞めてやる」と言って逃げるように東京へ帰った。

後で、めちゃくちゃ心配していたという事を知った。
数日後、体育館に戻ったとき、先生は僕を咎めなかった。

「お前は俺にたてついた数少ないヤツだ」
と卒業した後、笑って酒を呑んだのを覚えている。

ひとつの時代が終る。

命は永遠に続くものではないとアタマではわかっていても。
別れはかなしいものです。

時代が変わる。

残された者がそれぞれの分野で時代を創る時が来る。
その時に胸を張っていられるように
懸命に生きていく事が餞だと。
今はそう思う。

合掌。